「ヘリコプター」という名前

 飛行機が好きだ。当然ヘリコプターも好きだ。つまり航空機が好きだ。空を飛ぶから好きだ。空力を考慮したデザインが好きだ。ともかく好きだ。だが、飛行機はともかく、ヘリコプターで唯一嫌いなことがある。それは呼称。なぜわざわざギリシャ語、及びフランス語なのだろう。ギリシャ語で螺旋翼を意味する「ヘリックスプテロン」、それをフランス語で「ヘリコプテール」と命名し、英語で「ヘリコプター」となる。
さらに日本語にすると「ヘリコプタ」となる。学校である一定以上の年齢の先生は、3文字以上のカタカナ単語を表記するとき絶対に伸ばし棒(ー)をつけない。ローターはロータ、といった具合に。でも、なぜかダンパーはダンパーのまま。正直、どうでもいいですが。
 まあともかく名前がしっくり来ない。まず日本語にならないこと。せいぜい回転翼航空機、略して回転翼機である。「ヒコーキ」みたいにさらっといえない。「カイテンヨクキ」と、詰まる音が多いい。結局のところ、日本ではカタカナに甘んじて「ヘリ」のと呼ばれることが多いい。まあいいですが。
 というわけで、私はヘリコプターは固有名詞で読んでいます。「あのエキュレイユがどうかした?」、「ベル206(もしくはジェットレンジャー)五月蝿いな」といった具合に。しかしこれでは知らない機体を呼ぶことはできない。「ん?あれは……………E…C………1…35?(嘘)」。
 なぜ嫌いなのか考えてみた。どうやら「プ」がいけないようだ。半濁音があると、とても優しい感じに思えてしまうからだろう。「アンパンマン」「クマのプーさん」「ピカチュー」「パンパース」など、子供向けに多いい。反対に濁音をつけるとちょっと硬いイメージになる。「ガンダム」「マジンガーZ」「ゴレンジャー」「マンガン電池」。
 というわけで、「プ」を「ブ」に変えてみる。

 ヘリコブター

 …心の底から「縁子豚」と書いてしまいそうな勢いです。まだヘリコプターのほうがいい。じゃあいっそ「ヘリコフター」にしてみると…、人名?「ヘリ・コフター」といった具合に分けれそうです。
 で、他に半濁音を使った航空用語を思い出す。「パイロット」「ピトー管」「キャノピー」「プラグ」「スポイラー」「パラシュート」などなど。こう見ると、半濁音を使っていても別に優しいイメージなど微塵も感じない。となると、私の勝手な考えがそうしているらしい。そう思ってみると、「ヘリコプター」の呼称も違和感が無くなった。
 まあとりあえず、「飛行機」は漢字で書いて「ヘリコプター」はカタカナというのは並べてみると違和感がある。飛行機にはエアプレーンといったカタカナ表記にできますが、ヘリコプターは漢字表記は「回転翼機」としかかけません。おかげで二つを並べるときは「固定翼機」と「回転翼機」かかれるほど。だから、「飛行機」のような名詞をヘリコプターにも与えて欲しい。といっても、航空自衛隊の戦闘機名並に普及しそうにありませんが。F-104は「栄光」って言うんだよ。といっても、マニアは「マルヨン」というだろうし、テレビでは「F-104」と呼ばれる。結果、ごく一部のマニアが使うだけの名前となる。もしかすると、ヘリコプターにも昔そのような名前があって、闇に埋もれたかもしれない。だからなんだといわれてもどうということはありませんが。