航空機の形

授業で習えば習うほど、実在の航空機の形とはなんとも良く考えられた形だと思う。
まず飛ぶための形で無ければならなりません。次に各装置、エルロンやフラップなどの動翼の動力、それを動かす操縦系統。もちろん着陸装置もあれば、燃料の搭載スペースもいります。そしてその航空機の目的、旅客機であれば旅客スペース、戦闘機であればハードポイントが必要です。そして、通信や支援設備との連絡を取るためのアンテナがいります。などなど。
航空機とは単純に飛ぶためでも大変ですが、それらを組み合わせるとなると、恐ろしく難しいこととなります。エルロンやフラップなどの動翼を動かすには当然動力が要ります。小型機であれば人力で済みますが、旅客機などの大型機は人力で動かすわけにはいきません。油圧機構を使うのであれば、狭いスペースに油圧の配管が必要です。もちろん緊急事態に備え二重三重、そして四重に機構を設けておくのも必要です。配管といえば、航空機内には油圧のほかに空気、燃料、電気、潤滑油などが走っています。燃料のパイプから燃料が漏れ、電気配線に接触し爆発するという笑えない状況にならないためにも燃料パイプの上に電気配線を通すなどの処置もいります。まだありますが省略して、油圧といえば着陸装置です。
着陸装置は大方翼か胴体下部に格納されています。航空機はあらゆる荷重に耐えるために胴体は円の形になっていますが、脚を下ろすとそうではなくなります。割れていない卵を引っ張るのと、ひび割れた卵を引っ張ると後者があっさり割れるように、航空機も同じです。そのため、脚の周りの構造は頑丈にしておかなければなりません。
燃料の搭載スペースは旅客機であれば翼の中です。翼の中に燃料タンクは無いので、機体構造でしっかり漏れないようにしなければいけません。この辺省略。
そしてアンテナ。アンテナといってもLVF、HF、VHF、マイクロ波などのアンテナから、ATCトランスポンダやDMEなどのためのアンテナも必要です。もちろん混線を避けるためそれぞれの位置を離さなければいけませんし、空気抵抗、アンテナ自体の強度も計算しなければいけません。もちろんそのデータをコックピットに知らせるための配線つきで。

かなり略しました(特にエンジン)が、これら全てが過不足無く組み合わさって飛んでいるのですから、相変わらず航空機とは素晴らしい、というよりすごいものである。というか、いまだに飛んでいるのが信じれませんが。