岐阜県、雪

今年の雪はしぶといぜ!

 雪が積もりました。おかげで事故の手続きができない状況に。
 が、後にそれが意外にもプラスとなるとは。
 そのときの私に知る由も無かった。


 そろそろ学校も始まるのだが、いつもの時間に起きるのがこんなにもしんどいものなのか。ここしばらく9時から10時起きだったが、今日は7時起き。というのも、8時から10時の間に病院に行って診断書をもらわねばならないからだ。のだが…。
 その日の朝はやけに冷え込んでいた。温度計は久しぶりに一桁になっていたほどだ。そりゃそうだ、外は雪が積もっていたのだから。雪が降ろうが雨が降ろうが槍が降ろうが部屋の中で引きこもっていれば問題は無いが、今日はタイムリミット付きで病院に行かねばならないのだ。のだが、原付で行こうものならまずこける。私の寮は山の頂にあるので、滑りながらなら下ることができるが、逆に登ることはできないのだ。私はスタッドレスを履いた四駆車が立ち往生しているのを見たことがある。要チェーン、もしくはスパイクタイヤ。といっても今日はそこまで積もってないのでタクシーを呼べばいいかもしれない。が、やはりお金がかかる。保険会社に請求してもいいが、ただでさえ今面倒なのにこれ以上面倒にしたくない。出した結論は「明日にしよう」。なお、この結論は後々いい方向に進むこととなる。
 昼からはバイト。昨日人手が足りないからとにかく来れたら来てくれといわれていたので、いろいろ手続きが終わったら行くので予定の時間には遅れるかも、と言っていたのだが、当然予定が中止となったので時間通りきっちり到着。どうでもいいが、朝はあんなに春らしくない天気だったのに、今は晴天。山間部の天気は変わりやすいというが…。その後閉店まで汗水流す。ふと携帯電話の着信履歴を見ると頻繁に保険会社から電話がかかっていた。ああ、病院に行かなかったこと報告してなかった。貴重なバイトの休憩時間を来る日を間違えたバイトの人と話しこんだため、電話するのも忘れ、携帯電話には保険会社が閉まる7時まで10分おきに着信履歴が残っていた。
 朝、雪。昼、晴れ。そして夜は吹雪。バイトを終えた私は、雪の積もった原付に乗って、暗く寒い夜道を時速30kmでドリフトしながら走って行った。