終わりと始まり

何かが始まればいつか終わる。何かが終われば、また何かが始まる。
終わりは始まり。その始まりを飾るのは、栄光か、絶望か。
栄光を目指し、新たに何かが始まるかも。

 その日私の目を覚ましたのはドアをノックする音だった。正直無視したかったですが、五月蝿いので開けてみると、同じクラスの友人だった。そういえば友人にもらった壊れたテレビをやると言ってましたが、こんな朝早くに来るとは…。で、寝ぼけ顔のまま渡して二度寝。朝っぱらからご苦労様ですそしてその後数十分後、テレビの不具合を直した〜という電話で起こされ、止む終えなく起きることに。そんなこと一々報告せんでも…。それにしたいならメールでしろ。
 ここしばらく春らしい妖気、もとい陽気が出始めたかと思えば今日の寒気はなんだ。寒い寒いと思っていると、おてんとさんはそれに応えるかのように雪は降らせてくれた。憎いねー、君。ついでに空き部屋となった部屋を掃除する業者の方、早朝からご苦労ですが、そのとき出た粗大ゴミは私の部屋の前に放置しないでください。ドアが開きません。
 寒空の下登校。本日の授業で疑問に思ったのは唯一つ。同じ問題でも授業によって回答が異なるのは何故?三時限目は再試験で教室を追い出され暇な時間を過ごし、その後本日が最後となる教室の掃除を始める。
 9月12日より始まったこの教室での授業はお世辞にもいいものとはいえなかった。だが、住めば都ということで、次第に居心地も良くなっていました。それは普通の教室を休憩室とするならば、私達の教室は砦。他者を寄せ付けない雰囲気を持つが、中で過ごす者達にとっては最高の安心を与えてくれる。もう一年使ってみたい?と言われれば迷わず「NO」といえるような教室でもありますが。
 普段勉強はしない私達のクラスではありますが、勉強以外に対する熱意はすごい。こういう時は一致団結。普段見せない行動力と団結力で教室はみるみる綺麗になっていく。こういう時だけすごいぜマイクラス!四時限目が始まる前に掃除終了。あれだけ汚れていた教室は見事に掃除、そして修理(!)されていた。最後の最後にこの教室への恩を返し、私達はこの教室を後にした。
 というか、本日は隣の教室でエアポートサービス科の講習があってたのですが、絶対に「五月蝿い」と思っていたでしょう。自分達がそう思っていたのだから間違いありません。そして冒頭に書いた雪ですが、午後からは見事に吹雪いてきたした。ですが、掃除が終わる頃には日が差し、大地に積もった雪を溶かします。溶けた雪は水となり、水は蒸気となる。日光は濡れた大地を大地を照らし、蒸発していく蒸気は光り輝きながら舞う砂金のように見えた。そして、水面に写った太陽は私達を下からも日差しを送ってくれました。おかげで暑い!で、上着を脱げば日は雲に隠れ寒くなる。おてんとさん…、あんたってヤツは…。
 四時限目はプリントをもらうだけで終了。まだ晴れているのでまた吹雪く前に帰宅。先に述べたように今日で教室が使えなくなるので、多くの人が多くの置き勉を持ち帰ることに。その量が半端ではなく、原付のメットインでは到底足りない。手で持とうとすればその重量は楽に10キロになる。車通学の人は駐車場まで地獄の訓練をしなければならないので、汎用人力駆動車両(自転車)に載せて援護する。こういうとき籠がある自転車は得。
 帰宅後、早朝テレビを上げた人にリモコンを渡し忘れていたので、ちょうど私達の寮に遊びに来ていたので渡しに。部屋を出るとその友人達が原付講座をしていたので聞き入ることに。そんなことしていたら随分と時間が経ってしまう。今日は散髪に行くんだ、と心に決めていたので途中で切り上げて汎用人力駆動車両(自転車)で散髪へ。生活資金も底を突き出したので散髪の前にATMへ。MTBを買うならお金を節約せねばならないのでいつも3万円下ろしているところを今日は2万円。節約生活始まります。ついでに買出しをして散髪へ。短めに、と言ったのが悪かったのか、つい先ほどまでぼさぼさだった髪が驚きの短さになっていた。なかなかサッパリして夏らしい。待て、まだ春だ(気温は冬)。帰り道はとても頭が寒かった。
 帰宅後、レッツクッキングタイム!をしようと思ったら、鍋を洗い忘れていたので断念。残ったシチューと野菜、そして買ってきたコロッケの夕食。微妙に豪華。
 夕食の片付けを終えたと同時に同じ寮の友人がやってくる。どうやら明日実家に帰るから飛行機のチケット取ってくれとのこと。いろいろ言いたいことがあるが、インターネットの力で取ってやる。こいつも寮を離れるかと思うと悲しいような 嬉しいような 気もする。ともかくチケットを取ってやり、明日はもう会えない。感動的(嘘)な別れを演じ、そいつの背中を見送った。数刻後、そいつはトイレを借りにやってきた。さすがにそれが最後ですが。まあ、いつもどおりです。最後に缶ジュースを奢ってもらいましたが、寮の自動販売機はほとんどが売り切れなので、選択肢も無く冷たいコーヒーを奢ってもらう。別の意味で悲しい別れでした。


 本日はいろいろなことがありました。そして、多くのことが終わりました。終わりと始まりは同じ意味です。髪形も変わり、友人が寮を出たことで原付を正式にもらい(名義変更、保険加入済み)、そしてこの他にも多くのことが始まります。さしあたって明後日の国家試験は確実に受からなければなりません。さあ、頑張るとしましょうか!