そして審査は始まった phase 3

最終審査の日の幕開けは、実に波乱のものだった…。
そして審査の最後に見たものは、予想外の展開だった…!


 準備は万全だ。試験会場では昨日のうちに準備を整え、知識も万全だ。唯一不満があるとすれば、この茶色に輝く工具だろうか…。

 学校に到着し、最終準備を済ませあとは時を待つのみ。刹那の時が永遠に感じられる時の流れの中、私は緊張を隠せずにいた。恐らく他のみんなも同じ気持ちだろう。一人一人の顔色を見て回る。笑っている者、タバコを吸う者、審査後に外食に行こうと誘うもの。航空専門学校らしく緊張感ゼロでスカイ。実際私も「早く終わってポタりたいなー」と思っていたり。
 と、ここで一つ気づく、どうも頭数が一つ足りないような…。数えなおしてみても変わらない、どうも一人少ない。周囲でも不審に思い始め、ざわめきが始まる。まさか審査の日に寝坊しているはずがないと信じながら、我々は待ち続けようとする。が、既に審査まで残り30分をきっていた。さすがにあせりを感じた我々は連絡しようとするが、携帯電話は審査中没収なので、連絡手段がない。その後担任にそのことが伝わり緊急連絡。みんなの思いが伝わったのか、彼はなんとか審査直前に学校に到着する。これでみんなも安心して審査が受けれると思った矢先、彼が道具を忘れたことに驚愕する。急遽授業中だった先生方の力を借りて審査が行える状態となる。その直後審査員到着。波乱の幕開けです。
 そして審査開始。今日の審査は締結実習。早い話ボルトやナットの締め付け方、その回り止め法*1といった技術と知識の試験。締結する部材や環境から最適なボルトやナットを選定し、それを適切な方法で締結し、回り止めをする。言えば簡単だが、たかが4箇所留めるだけで30分の時間がかかるのだから結構大変。何が大変かと言うと、コッターピンの穴あわせとか…。


 ちょっと意外な出題に戸惑うが、あまりへまもせず終了。終わりがあまりにあっけないので、本当にこれで終わりなの?と思ったほどにあっさり終了。あっさり終わったので書くこともない。終了時間になって並んで敬礼して終わり。
 その後審査の後片付けをした後、何をするでもなく教室で缶詰状態。4時過ぎにやっと下校許可が出され帰宅。
 幕開けこそ忙しかったが、その後はあっさりとした最終審査日。今も思う、あんな最後で本当に良かったのかと…。

*1:一般的なものでコッターピン(割りピン)。他にもセーフティワイヤーやセルフロックナットなど