二等航空運行整備士 実機試験 前編

後ろ側自転車の泥除け

 実機試験、やってきました。内容は午前が筆記、午後が口述試験。意外にも筆記試験に苦戦するという珍事。まあ覚えているからいいか、などと思って見直していなかった部分が丸々出たのでショック。完璧な回答ができなかった。一方口述は一通り答えたて個人的には好感触だが、筆記の結果がどう響くか…。

 ついにこの日が来てしまった。整備士の勉強を始めて二年ほどたつ今、私は最後の扉を開こうとしていた。この扉の向こうには「ライセンス」という至高の宝がある。そして、その扉を開けるかどうかは、この日にかかっているのだ。
 今日のために多くの勉強をし、多くの血も流した*1。今の私はどんな問題がきても答えれずとも対処はできるだろう。だが、こんな私でも対処できない問題があった。


 この日は雨だった。


 愛用のクロスバイクで通学を始めて数ヶ月。自転車最大の敵は幅寄せする車でも路肩に止まった車でもない。確かにそれ、というより自転車が車道を走るものだと知らぬ無知なドライバーは総じて敵だが、それよりも問題はやはり自然である。何よりも実生活で被害にあうのは雨。
 スポーツバイク(ちなみに私の自転車はスポーティーバイク)は基本的に泥除けが無いので、雨の日は悲惨である。そりゃもうタイヤで巻き上げた水が自分に降りかかってくるのだ。雨水が下着に到着するなど時間の問題である。不思議なことに巻き上げた水は真っ先にお尻を浸食していくのである。はっきりいって不快以外の何も出もない。痺れを切らした私はついにワンタッチ着脱式の泥除けを購入するにいたるが、やはりママチャリの泥除けは高性能なのだな思い知らされる雨の日のこと。


 ずぶ濡れになりながら学校へ。だが、この程度で私の合格へ意気込んで燃える私のハートの火は消えない。この火を消すには炭酸ガス消化器か「不合格」の通知の二つだけである。とにかくどーんとこいや!と意気込んで受けた学科試験。結果は上に記したとおり。
 筆記試験を終え次の口述試験に備え格納庫へ移動した私達は、気づかぬ間に試験体制に配置換えをしたヘリコプターたちであった。どうやら他のヘリ科のクラスが受験機以外のヘリを格納庫外に出し、受験機を綺麗に並べてくれていた。ヒューズ369(OH-6と同型)は機体は小さいのだがローターがでっかいので思いのほかスペースをとる。審査に使う4機のヒューズのために格納庫の半分は開けられていた*2。とにかく二等航空整備士クラス準備してくれてありがとう。
 で、口述試験の順番待ち。やはり人間こういうときが一番緊張するもの。落ち着きを忘れた私はソワソワして緊張をほぐそうとするが、無理な話である。で、緊張の極みの中行われた口述試験の結果は上記のとおり。
 せっかく審査用に配置したヘリだが、さすがに格納庫の外に追いやったヘリを明日まで野ざらしにするわけにはいかない。審査を終えた私達が出した機体を格納庫内に収容する作業に。待て、格納庫外に出すのに40人以上使ったが、私達のクラスはその半分以下の人数である。格納庫外に出された機体は8機。審査用に内装を取り外した受験機の修復作業もあるから、ちょっとこの人数ではしんどい。と、そこに登場二等航空整備士クラス。さすが整備士コース、運行整備士コースの人間とは出来が違うぜ。で、格納後は濡れた機体を拭いてあげて終了。それにしても、ヒューズに比べるとベル206Bは大きな機体だ。同じ目的で作られたとはとても思えない。

 ともかくなんだかんだで最終審査一日目を終える。明日は正真正銘の最終審査。まあ落ちれば最後じゃありませんが。


(追記)

うっかり安全靴のまま帰ってしまいましたが、つくづく安全靴は前に鉄板が入っているから硬い、つまりサイクルシューズと同じ構造が変わらないため自転車をこぐとき力を入れやすい。まあ長時間こいでたらたぶん足の皮が剥けそうですが。

*1:機体から愛の鞭を食らうことは一度ではない。というか、突起物多すぎ。特にエンジン周り

*2:ちなみにもう半分は飛行機のテリトリー