お日様との出会いと別れ

朝焼けのダホン





「はぁ〜」


 布団の中で一人私はため息をついた。眠れないのだ。別に目が冴えているわけでも悩み事があるわけでもない。なぜか眠れない。何も考えずに目を閉じ、しばらくすると眠れるはずなのだが、その日はどうにも眠れなかった。なにか考え事をすればいつの間にか寝るだろうと思い、いろいろなことを考える。まずは将来のこと。目の前が真っ暗になったが、眠れない。むしろ不安になった。これでは眠れないと、必死に何も考えないように考えながら目をつぶると、必死に考えないことを考えているので眠れない。そんな一人漫才をしていたら、いつも早起きのお日様と目が合ってしまった。


 眠れないなら眠らないまで、早朝のサイクリングにでも行くのが識者*1の考えです。MERIDAはまだ修理中なので、この日はDAHON
 うん、やっぱり早朝の空気はなんか気持ちいい。この空気は福岡にいるときはあまり感じない独特な味だ。この味、匂いを端的に表すなら山にキャンプに行って、テントの中から這い出たときに感じるあの味だ。ぶっちゃけ寮が山の中にあるだけあって、新鮮な山の匂いは無料で味わえる。ただし昼以降は虫の匂いしかしない。
 ダホンでぐるぐると回っていると、こんな早朝にもかかわらずいろいろな人と出会う。意外にも学生さんが多かったのはびっくり。朝早くご苦労様。
 だいぶ日が昇り、気温も上がってきたので寮に帰還。運動したこともあって眠気が来たのでベッドにダイブ。
 目が覚めたら、お日様とお別れの時間だった。

*1:識者と書いて愚者と読む