黄色いの

青と黄

 新しく買った黄色い自転車。
 その名前とその色になるまでのいきさつの話。



 メリダ、スコット、ダホン。これは今までに買った、あるいはもらった自転車のメーカー。
 なんだかんだでママチャリを含めて合計4台の自転車を保有していたわけだが、先日もう一台増えて5台体制となった。
 もっとも基地に(こっそり)持ち込んでいるのは内3台。ずいぶん多いが、問題は数ではない、名前だ。話の中で自転車を示す時、例えばメリダなら「メリダ」「ロード」「青いの」といった風に呼ぶ。
 新しい自転車は企業が作ったものではない、ハンドメイドだ。「メリダ」のように呼ぶにしても、新社にも一応ブランド名はあるにはあるが、その名で呼ぶのは知名度などから一般的ではない。かといって「ロード」は二台目だし使えない。そして「青いの」といった風に色を呼びたいのだが、新車の色は黄色である。「黄色いの」というのはなんか呼びにくい。
 つまり現在有効な呼び名がない。とりあえずその場しのぎとして「新車」「クロモリ」と呼んでいるが、正式なものを付けてやりたい。


 私が素直にバカなら「マイヨジョーヌ」とかつけてるところですが、さすがにそれは痛いだろう。というか自転車で黄色のイメージが行き着く先はそこなのだろうか…。



 ところで、なぜ色を黄色にしたか。正直はじめは黄色にするなんて思ってもいなかった。メリダを買ってからしばらくしてすぐに新車を考え出した。そのころ、次の自転車は赤い自転車を買おうと考えていた。青の次は赤、その次は緑というふうに、混ぜれば黒になりそうなラインナップにしたかった。しかし、友人が自転車を初めて、仲間内に赤い自転車が生まれた。ならば緑色の自転車にしようとした。緑といえばビアンキ。ショップで目星をつけ、注文しようとしたところ、イタリアンバイクの悪夢、一番小さいフレームでも身長が足りなかったのだ。サイズが合わないなら、と、半分吹っ切れて自転車をフルオーダーすることとなる。おかげでサイズはばっちりだ。で、色だが、このとき、再び「赤」にしようと思っていた。LEMONDのPOPLAD diskのカラーリングに惚れて、赤に白の胴抜きにしよう、と。しかし、なぜかわからない。駐輪所の隅に捨てられた黄色いロードバイクを見て、なぜか黄色に魅力を感じていた。あえて言おう、黄色は好きな色ではない。青が好きで、その全く反対の色(まぜたら黒になる)である黄色は好きではなかった。しかし、黄色にしたのだ。結果的に友人たちの自転車とも色がかぶらず済んだのだが、今でもこの決断が正しいのかわからない。
 決して好きな色ではない。けど、今こうやって目の前にあると、嫌いでもない。黄色には「低俗」という意味がある一方、「希望」という意味もある。とにかく、今はこいつといろんな道を走ってやりたい気分だけだ。
 さしあたってまだ名前は決まっていないけど、とにかく走ろう。今月あと何回立ちごけするかわからないけど、とにかく走る。走って、走って、そのうちなにか思いつくかもしれない。