大きいと遅い?実は30倍
人が空に憧れるのは、人に翼が無いからに違いない。
大昔から人は空を飛ぶ手段を探し続けた。それから長い年月を経て、今ようやく実用化されたのだ。
飛行機というものができて、まだ100年と少ししか経っていない。私たちは恵まれた時代に生まれてきたものだ。
飛行機ができてから、世界は大きく変わった。地形に左右されないその乗り物は、主に輸送に革命を起こした。
車より早く、船よりも自由な航路で、その乗り物は動くことができた。
気づけば、遠く離れた国も、今では容易に行くことができるようになった。金さえ出せば。
世間にもっとも身近な飛行機、旅客機だが、このスピードはどれくらいだろうか。新幹線より速いことぐらいは知っているだろう。
巡航速度は約時速900km。車などと比べるともうすぐ桁違いである。べらぼうに速い。ロードバイクの30倍である。
あのデカブツがそんだけ出せるのなら戦闘機はもっと出せるのか!と思いきや、意外にも巡航速度は同等かそれ以下である。実は旅客機は航空機の中でも速い部類なのです。
大きいと遅い。そんな誤解が大きいのは爆撃機だろう。確かに大昔の爆撃機は遅く、戦闘機のカモだったが、第二次大戦の終わりごろから様子が変わってくる。戦闘機よりも速ければ迎撃されないし、目的地に早く到達する。これは大戦末期の旧日本軍を見れば分るように、B-29相手に日本の戦闘機は全く太刀打ちできなかった*1。気づけば爆撃機と速度は音速を超え、その倍の速度になり、そして戦闘機すら越えれなかったマッハ3の壁すら越えてしまった。また、典型的爆撃機の形をとる旧ソ連のプロペラの爆撃機、Tu-95だが、でかい図体でさらにプロペラの分際で、最大速度は900キロを超える。もちろん小型のプロペラ戦闘機ではこんな速度を未だ出せていない。そんな爆撃機も大陸間弾道ミサイルに姿を変え、今や過去の遺物と化した。
さて、日本人には悪い意味でなじみ深いB-29だが、これを作ったのはボーイング社である。そう、今やB-7○7シリーズでおなじみのメーカーである。かつて日本を焼け野原にしたボーイングの飛行機。あれから50年経った今は、爆弾を旅客に変え、平和な日本の空を飛んでいる。自転車の30倍の速度で。
*1:細かいこと言えば他にも要因はたくさんあり、太刀打ちできなかったわけでもない