ある曇った日の出来事


 梅雨入りしたというのに、昨日は驚きの快晴で、絶好の自転車日和でした。お日様が暖かい日差しを大地に降り注いでいた中、私はその日差しも受けない狭い部屋の中で、もくもくと仕事をしていました。とても、晴れだったのが憎かったです。
 日付は変わって翌日の今日、天気は微妙な雲が日を遮っていた。実に微妙な自転車日和だ。

 とりあえずこういう日はメンテに限る。メトロのチェーンが鳴き出したので油を注したり、シフトワイヤーの張りやらも調整する。乗り方が雑なせいか、メトロはすぐにどこかしらガタが出る。その点クォークは値段がメトロの10倍はすることあって買ってからほとんど調整いらずである。さすが105、なんともないぜ!

 そんなこんなしていたら先輩の知り合いに声をかけられた。その人はトライアスロンをするために最近自転車を買った人で、不思議な巡り合わせで知り合いとなった人だ。まだ自転車は買ったばかりで良くわからないので、年齢的にも階級的にも目上の人にものを教えるというのは、ちょっと緊張した。
 機会があれば一緒に走りましょうと言ったものの、ちょっと心配である。というのも、自転車歴3年になるが、ぶっちゃけ私は遅いのだ。その人はトライアスロンを目指すぐらいの見るからにスポーツマンなんで、前を引っ張るどころか千切られてしまいそうである。ああ、自転車乗りの先輩としてのプライドがずたずたに引き裂かれそうだ…。
 そうなれないためにも、その後すぐにレーサージャージを見に包んで走ったが、一朝一夕でどうこうなる問題でもない。ともかく、こうしてますます走る理由ができてしまった。