孤独な街


 街には人があふれている。いろんな人が、いろんな目的で、いろんなことをしに集まる。
 けど、いろんな理由があって集まっているのに、同じ理由でいるのかもしれないのに、誰一人、交わることはない。
 何百人とすれ違うのに、すれ違う人は「物」でしかない。
 たくさんの人がいるのに、それでは一人でいるのと差はないのではないか。


 なんと素晴らしいことじゃないですか。と、しばらく閉ざされた空間に監禁状態の人間が言ってみる。すれ違う人すべてが同胞なので、だんだん面倒になってくるわけで。たまにはプライベートも欲しいよ。
 そんなこんなの引き籠り生活もとりあえず明日で終わり。明後日から実家へ帰省します。