交通マナーについて思うこと

歩行中、自動車、そして自転車に乗車中は交通マナーを守りましょう。
守るのは何も、マナーだけでなく、何より大事な命なのだから。

 それは学校の授業を終え、アルバイトへ行こうとしていた時のことである。
 私は唯一のエンジンつきの乗り物である原付を駆り、のほほんとバイト先に向かっていた。交通量の少ない道路で、なおかつ視界が開けて非常に走りやすい道である。その気になればスウェーデンの戦闘機が着陸できそうな、そんな開けた道路。弱点として街灯すらない。開けているためか、自動車が容赦なく加速したり、スポーツカーが容赦なく通る場所でもある。そんな道路の先を見ると、道路の脇に何かが見えた。戦場に出たら被弾面積が少なそうな細い乗り物に乗った人、わかりやすく言えばロードレーサーに乗った人。人はそれをローディーと呼ぶ。そんなことはともかく、この道はローディーもご用達である。ほとんど平地なので、14kgのクロスバイクでも平均速度30km/hは楽にでる。一番重いギアで死ぬ気で漕げば50km/hに届く、かも。クロスバイクでそのくらい楽なのだから、走るために生まれたロードレーサーはさぞかし速度が出ることだろう。事実、原付のメーター読みで45km/hはでていた、気がする。併走したわけじゃないからわかりません。
 いくら速かろうと所詮は人間の力。ガソリンの爆発が生み出すパワーには到底及びません。涼しい顔して抜こうとする、ローディーの手がダウンチューブにあるボトルに手が伸びた。そのとき、わずかにバランスを崩し、彼が道路のど真ん中よりやや右に出てきた。ぎぃやあぁぁぁ!抜こうとしていた私の前にロードレーサーが迫る。あわててハンドルを切って大転倒。ローディーを巻き込んで大惨事!にはならなかったが、ヒヤッとした。
 その後信号待ちをしていると、その横をそのローディーが通過。信号を無視して走り去っていった。


 全身レーサースタイルなばりばりなローディー。わずかな時間しか見ていないが、残念ながらノーマナーといわざるおえない。道路を走行するのは当たり前だが、一瞬でも体勢を崩す可能性のある水分補給の前に、少しでも後ろを向いても良かったのではないか。もし私が車に乗っていて、対向車が来ている状態であれば事故になりかねない状況だったからだ。ばりなりなロードレーサーだったそれは、当然ツーリング車のようにバックミラーなどはついていなかったので、振り向かねば後ろの状況はわからない。そして、信号無視という行為は立派な交通違反である。
 時折、ローディーはノーマナーという話を聞くことがある。だが、私の知り合いのローディーはそうでもなかったためか、そんなの根も葉もない噂だと思っていた。実際近くの山のローディーはきれいなトレインを作って走っており、悪いイメージは無かった。が、どうもそれは小さな視野で世界を見た、私が抱いていた幻想だったのか?確かにこのローディーがたまたまノーマナーであっただけだろうが、「公道」を走っている以上最低限のルールというものはある。仮にもローディーである。公道を走る自転車の頂点にあるロードレーサーを駆る人間であれば、やはり公道を走るプライドを持ってほしい。今日私が思ったように、一人の行動が全体の行動と思われることもあるのだ。というか、安全のためには絶対にやってほしい。ほんの数ヶ月前に自転車に乗ってて車と事故った人が言ってるんだからこれは確か。先に述べた知り合いのローディーが死んで3ヶ月を過ぎ、こういうことに敏感になっているのだろうが、間違ったことは言ってないだろう。なにせ「交通マナーを守ろう」ということはだらだらと書き綴っただけなのだから。


 ちなみにどこがどうなってそうなったか我ながら謎だが、私が結局たどり着いた結論は、「岐阜県民の交通マナーは最悪」である。交通事故の多さならちょっと自信のあるの福岡県民(車通しの交通事故経験済み)が言っているのだからこれは確か。たぶん大阪、愛知の辺りからこの荒さは伝わっているのだと思う。大阪はすごいぜ!と大阪の大学に行っている友人から、悲痛とも取れる言葉を思い出す。そんな友人も今では立派な関西人。