水も滴る…

INFINIのテールライト

 乗りたいときに乗る、それが自転車の楽しみ方だ。しかし、物には限度がある。
 今や梅雨。雨の続く日々が続き、自転車に乗れない日々が続く。だが、そういう日に限って自転車に乗りたくなるものだ。
 そこで昔の私は考えた。雨の中走ればいい。走れないことに対するなんとも単純な答えだ。だが、それは大きな間違えであった。
 その日私はウィンドブレイカーを着て意気揚々とスタート。まだ少し肌寒い季節、雨が急速に体温を奪っていく。降り注ぐ雨とタイヤが巻き上げた水しぶきが視界をふさぐ。なんと危ないんだ!と思ったが、10kmほど走ると慣れてしまうものである。ジョギングでランナーズハイになった後のように、そうなってしまえばこっちのものだ。水たまりも構わず突っ込む、というよりむしろ楽しんで突っ込む。もはや水遊びをする子供だ。
 案外雨の日も問題なく走れることが分かり、それもなかなか楽しかったので、これは梅雨も問題なく乗り越えられそうだと思った。

 しかし、問題は無きにしも非ず。テールライトが壊れるのだ。前を照らすライトは防水なので問題ないが、後ろの点滅ライトは防水といってもたかが知れている。1時間も走れば浸水するのだ。走行後乾かしたのだが、ボタンの反応がやたら悪くなったり、その後二度と反応しなくなったりと、気づけば2つのライトをダメにしてしまっていた。そして、すぐにあちこち錆びる。特に自転車の寿命を大きく奪いそうなので、その後雨天は走らないことに決める。
 その後新たなリアフラッシュライトを買って今に至るが、大切なことを学んだ。


 雨の日は走らない。