ペンタックスK-7に見るカメラメーカーの私見


 ペンタックスから新たなデジタル一眼レフ、K-7が発表された。
 なんでペンタックスの話題かというと、上の写真に写ったペンタックス野郎のため。
 ちなみに私は未来永劫ペンタックスには手を出しません。ご了承ください。
 というわけで前半はK-7についての雑感。後半はカメラ初心者の戯言。長文注意。
 ペンタックスの本気(マジ)モデル、K-7が発表された。驚くべきはそのサイズ。オリンパスE-620とほぼ同等である。防塵防滴でこのサイズは優秀だ。一方で重量はちょっとあるが、金属ボディでかつこれだけの機能を押し込んでいるので、逆に軽いほうだろう。そもそもカメラというのは軽すぎると逆に持ちにくいのだ。しかしE-420DMC-G1クラスになると逆に「軽さは武器」になるから不思議。
 E-620と同サイズと書いたが、K-7がいつごろから開発が始まったか分からないが、たぶんE-620のベースであるE-400シリーズに対抗してサイズを選んだのではないかと推測してしまう。ペンタックスオリンパスに対し前例があるし。
 とりあえず、注目するべき場所をいくつか。
 まずファインダー。驚きの視野率100%!このクラスではK-7だけだろう。ちなみにニコンD700は95%だペンタックスの本気っぷりが伺える。実際問題95%だろうが98%だろうが違いがわかるのか?と言われると非常に怪しいが、この数値でメーカーがだいたいどのくらい本気かが分かる。
 つづいて動画。ライブビューに続く一眼のトレンドとなる機能。いるかいらないかで言われるといらない。
 そして液晶。大きさが3インチで92万画素と大幅アップ!たぶんD90なんかと同じもの。カメラの高画素化には反対だが、液晶の高画素化は素直に喜びたい。水準器の搭載も忘れてはならない。GX200をつかってもはやなくては生きていけないほどになり、E-30でも大活躍だ。シャッター関連は1/8000ができたり、連射は秒間5.2枚。この辺については後述。


 総括すると、ペンタックスの本気モデルということだ。これでフルサイズセンターだったらニコンキヤノンがビックリしただろうが、さすがにそれはなかった。
 しかし本当にペンタックスオリンパスが仲がいい。OM-1とMXのように、K-7はE-620とだいたい同じサイズだ。ただ、総合的な性能はK-7に軍配が上がる。エントリーモデルのE-620と比べるのは不公平かもしれない。ということで我らがE-30の登場だ。ミドルクラスでピッタリ。
 比べてみて、まずサイズはぶっちぎりでK-7が勝利する。金属ボディと防塵防滴のおかげで重量は負けるが、その差15グラム。持って重さの違いが分かればすごい。ファインダー倍率もK-7が勝利。もっとも、これはAPS-Cフォーサーズセンサーの差によるものが大きいが、勝ちは勝ちだ。液晶は勝負にもならない差だが、個人的にはE-30の勝利。てか、E-30を選んだのはこのフリーアングル液晶によるものが大きい。ちょっと面白いのがシャッターユニット。ペンタックスもついに1/8000を積んでE-30と拮抗し、連射速度でわずか0.2の差で勝利。正直この性能見たとき、MXみたく何が何でもE-30以上の性能を出そうとしたなと思った。でもこれも重量と同じく差がわかればすごい。
 総合的にみると、防塵防滴で軽量金属ボディなK-7のほうが優秀だ。繰り返すがペンタックスの本気モデル。このぐらいやってもらわなきゃ困る。ただまあオリンパス機と比較したが、やはりこの2社は同じ道を進みたがる。ちなみに両者のカメラとニコンキヤノンのカメラの性能を比べると、ちょっと可哀そうになるからやらない。


 でもやっぱりK-7のライバルはグレードの差こそあれ、E-620だろう。E-620とK-7の両者に言えるのは、もてる技術をすべてつぎ込んでいること。E-620が発表されたときかなりわくわくしたが、同時に「オリンパスもいよいよやばいな」と感じた。
 キヤノンにしろニコンにしろ、発売するカメラはグレードによって差別化されている。見る側には技術を小出しにしているようにも見える。例えばニコン。エントリークラスだけで現在3機種出しているが、そのすみわけがすごい。新たにバリアングル液晶を積んだモデル、D5000だが、3機種の中で真中に位置するグレードだ。イメージ的には最上位のものに全機能が付くようだが、そうでもない。上位のD90でちょっと本格的に撮影しようと思えばバリアングル液晶を使った撮影ができなくなる。おそらくもっとも庶民が手にするであろう下位のD60でもバリアングルの恩恵が受けられず、通常の撮影スタイルが強制される。一般向けのフルサイズ一眼D700だが、ファインダーの視野率は下位のD300よりも劣っていたりする。視野率の高いモデルは倍の値段を出して買えということか。ちなみにキヤノンニコンとの戦いに備えて結構本気らしく、EOSkissの性能はフラグシップ機もびっくりだ。だが、上級、中級、初級のカメラの位置づけはしっかりしている。でもまあどの会社にも言えるが、モデルチェンジを前提とした商品を出されると正直萎える。
 フォーサーズの日にもちょろっと書いたが、別にフォーサーズマウントが使いたくてE-30を買ったのではない。たまたま自分の使い方にピッタリだったのがE-30だったのだ。D700がもう少し小さくて軽ければ、ニコン使いになっていたはずだ。パナソニックマイクロフォーサーズに行っちゃったので、事実上フォーサーズオリンパス1社の規格となった。遅かれ早かれ、小型軽量をウリにしたOMシステムと同じ運命をたどることとなりそうだ。だが、マイクロはもうちょっと長生きすると思う。DMC-G1でとりあえず好調なスタートを切ったマイクロフォーサーズだが、オリンパスがどう乗ってくるか期待である。
 一方で、ペンタックスの今後も危ぶまれる。オリンパスと小型軽量を切磋琢磨していたが、どこの馬の骨かも分からぬ家電メーカーのカメラ、G1が小型軽量でキヤノンニコンと肩を並べる人気を得ている。ペンタックスの強みは小型で軽量であることと、Kマウント、そして高級単焦点レンズ。小型軽量はパナソニック、マウントはEFとEマウント、高級単焦点は「レンジファンダーのレンズ」がそれぞれ優位だ。サムソンだかホヤだかに中途半端に吸収され、それをプラスにできるかが重要だろう。ソニーに吸収(というか回収)されたミノルタも、一応ソニーブランドで生き残っている感じに似ている。うまく生かさなければペンタ部分の社名が「HOYA」とか「KIMUTI」に変わってしまう!
 小型軽量は今まで通りオリンパスと切磋琢磨してほしいので、両者にはなんとしても頑張ってほしいところ。


 ちなみに、小さいフルサイズをキヤノンニコンが出した時点で、私はそっちに行ってきます。
 とりあえず今はオリンパスマイクロフォーサーズに期待。購入基準は

GX200より良かったら買う」

 以上。