繰り返される歴史 中編


 前編に引き続き、メトロのドロップハンドル化の話。今回は実際の作業手順について。
 たびたび言いますが、フラットバーからドロップハンドルへの移行は簡単ではありません。
 つまり、よい子は真似をしないでください

 まずは高さ調整用のハンドルをぶった切ります。シュレッドレスコンバーターを突っ込むのが一番楽なんですが、そうするとハンドルの付け外しが非常に面倒になります。折りたたみを考えると簡単に抜き差ししたいので、標準のハンドルは一部残しておきます。切り方はパイプカッターでグリグリ…したいのですが、形が円ではなく、写真手前の部分が凹んでいます。そのためパイプカッターが使えません。ソーガイド付けて鋸でゴリゴリするのがいいでしょう。

 が、持ってないのでパイプカッターで切れるとこまで切って、あとはヤスリでゴリゴリします。なかなか根気のいる作業で、今回一番時間がかかりました。パイプカッターで、へこんだ部分の左右はほぼ切ってあるので、この凹んだ部分だけピンポイントで削ります。

 このぐらい削れたら…

 あとはハンドルを差し込んでへし折ります。ちゃんと切れ込みを入れておけば、変に切るよりこの方が切断面は綺麗になります。なお、切って使わないフラットハンドル部分ですが、ある程度長さを残し、また使えるようにしておきます。

 ハンドルポストを差し込み、ステムを付けますが、25.4mmぐらいなのでシムを入れて26.0mmに変換。あとはステムを叩きこみます。若干窮屈ですが、プラハンで叩きこめば問題ありません。しかしこのままでは上の部分に穴が空いたままになります。スターファングルナットを叩きこんでステムキャップを付けるのはちょっと難しいので、プレッシャーアンカーを入れます。しかし、へこんだ部分がアンカーに引っ掛かるので、これもヤスリで加工します。この辺からだるくなってきて写真をほとんど撮ってません。

 ブレーキの交換です。向かって左が標準装備のPROMAX、右がRX-3。普通のVブレーキとショートアームVブレーキの大きさの違いがわかると思います。ぎりぎりいけるかと思ったのですが、案の定フェンダーと干渉します。あと1センチ長ければ干渉しないので、フェンダーを削ればいいのでしょうが、ハンドル、アンカーと削り続け、もうやる気が起きません。というわけでフェンダーは撤去することになりました。個人的に街乗りの自転車には必須なので、できることなら残したかったです。

 組み付けた状態。とにかく調整がシビアです。バードケージ状態のブレーキワイヤーから、作業のシビアさを感じ取ってください。ブレーキシューとホイールの隙間は1ミリ程度しかありません。振れたホイールで使うのはかなり難しいです。また、ブレーキのリリースもできないと思ってください。

 STIが7速用なので、スプロケットも交換です。ボスフリーなので、専用工具が必要となります。他に必要なものとして、怪力、もしくはでかいスパナ。とにかくボスフリーは取り外しに苦労することが多いです。私は全長30センチクラスのモンキーレンチを使いました。7速化してもトップギアもローギアも歯数に変更なし。間に一枚増えただけです。スプロケットの厚みも変わらないため、理論上リアディレーラーの交換は必要ないと思います。
 ただ、変速はすんなりといかず、ワイヤーの張りの調整だけではいまいちうまくいきません。最終的にトップ側の移動量を増やすと、うまく変速できるようになりました。しかし、それでもシフトダウン時にうまくギアが落ちない時があります。そんなときはSTIを多めに操作してやる必要があります。

 ブレーキ、シフトワイヤーを調整し、バーテープを巻いて完成です。実際の走行感については後編で。